シンプルさを学ぶ

 僕がフラを学んでいたのはもう何年も前のことですが、とても革新的なハーラウ(教室)でした。伝統を重んじるフラの世界では、僕たちの先生はとても異端な方でした。

 

「どんな伝統にも初めがあった」

「伝統的なものには革新の連続がある」

 

というハワイのクム(お師匠さん)の言葉に、僕は強く惹かれました。

 

フラに限らず伝統的なものの中には、そのスキルやノウハウを、とても難しいこと、会得するのに長く厳しい修行を必要とすることという考えがあります。

僕も伝統的な技法の伝え手として、その考え方は確かに尊重したい面はあるけれど、敢えて言うとその落とし穴にハマらないで欲しいと思うのです。

ものごとや人生を難しいものだと捉える考え方は、そういう現実を創ってしまいます。

 

「人生そんな簡単なものじゃない」

 

こんなような言葉を、言ったり言われたりしたことが誰でもあると思うけど、この言葉は危険な呪文です。

 

「人生はもっとシンプルなんだよ」

 

僕は、自分にも他の人にも、こんな言葉をかけてあげたい。

 

「シンプル」ってどういうこと?

ここが大切なんだけど、それは自然に学ぶことなんだと思うんです。

川の流れ、風のざわめき、海の煌めき、蝶の飛ぶ様子、動物たちの動き、星々の運行...

 


フラもタオも人生も、もともと自然界 、THE GREAT UNIVERSE が先生のはずだ。

自然界から、自分の深いところに共鳴するものを見つけていくことが、その人にとっての学びなんだと思う。